実家の相続 判定ノート

最終確認日 2026年10月24日/根拠は地方税法・総務省・東京都主税局の資料

空き家を解体すると、固定資産税は本当に6倍になる?

結論から言うと、土地の固定資産税が単純に6倍になるわけではありません。住宅が建っている土地の優遇がなくなるのは事実ですが、別の仕組み(負担調整措置)で上限が抑えられ、上がり幅は最大でおよそ4.2倍(東京23区は約3.9倍)です。

なぜ「6倍」と言われるのか

住宅が建っている土地には、固定資産税を軽くする「住宅用地の特例」があります。

区分固定資産税都市計画税
小規模住宅用地(住宅1戸あたり200㎡以下の部分)評価額の1/6評価額の1/3
一般住宅用地(200㎡を超える部分)評価額の1/3評価額の2/3

家を取り壊すとこの特例がなくなります。「1/6が1になるから6倍」というのが、よく聞く説明の出どころです。

実際は、上限がおよそ4.2倍

更地(住宅用地ではない宅地)の課税標準は、負担調整措置により評価額の70%が上限です(東京23区は条例で65%)。

例:土地の評価額が1,000万円で、全体が小規模住宅用地の場合(標準税率1.4%)

  • 家があるとき:1,000万円 × 1/6 × 1.4% ≒ 約2.3万円
  • 更地にしたときの上限:1,000万円 × 70% × 1.4% = 9.8万円

計算は上限の目安です。実際の初年度の税額は、前年度の課税標準や地域の負担水準によって変わります。正確な額は、市区町村の資産税課で確認してください。家屋の固定資産税は、取り壊した翌年度からかからなくなります。

判定は毎年1月1日

固定資産税は、毎年1月1日の状態で決まります。1月1日に家が建っていなければ、原則としてその年度から特例がなくなります。年末に解体するか年明けにするかで、税額が1年分変わることがあります。

取り壊さなくても、特例が外れることがある

2023年12月施行の改正空家法で、「管理不全空家等」が新しく設けられました。放置すれば危険な状態になりそうな空き家について、市区町村が指導・勧告できます。

「壊すと税金が上がるから放置する」のは、勧告を受けると同じ結果になります。売るか、管理するか、取り壊すかを早めに決めることが大切です。

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このページの根拠

負担調整措置の現行の規定は2024〜2026年度分です。2027年度以降の扱いは、令和9年度の税制改正で決まります。